とはいっても、滅菌にはレベルがあるのです。通常ヨーロッパ基準を用いられることが多いのですが、ヨーロッパが滅菌に関して感度が高かったため、厳しく滅菌してきた歴史があるのでしょう。一般にクラスN、クラスS、クラスBに分けられます。歯科医院で一般的に多く使用されているのは、クラスNですが、この基準の中では残念ながら最下位です。
日本での健康保険における歯科治療費はこの30年程横ばいで、新たな進化を求めてこられませんでした。治療費が頭打ちな現状でコストだけがかさむ滅菌に力を入れてこれなかった現実があるのです。しかし、インプラント治療の普及に伴い、最上級のクラスSが徐々に普及してきています。とてもいいことだと思います。インプラント歯科用消毒器具は通常滅菌パックに入れて保管しますが、クラスNでは、滅菌パックの中の滅菌が不十分といわれているからです。特に複雑な形状をしたものになるにつれ、滅菌が行き届かないといわれており、インプラント器具のような外科的処置でしかも複雑な形状をしたものは、クラスBで滅菌するべきだといえるレベルだからです。
クラスNの滅菌は、昔からある殺菌灯に滅菌後に入れて保管し、さほど血液に触れないような、歯科治療の場合には大丈夫だろうというレベルの思考で構成されていますが、現実には、健康保険治療の場合は、1日に20人から30人もの患者さんを診察せねばならず、滅菌にかける労力やコストが健康保険の再診料くらいでは見合わないことが問題なのかもしれません。
健康保険での治療において目に見えない滅菌精度を上げることは、大変なことであり、全国的普及を考える場合は、差額で高圧蒸気滅菌器クラスB滅菌使用料なるものが混合診療としてできるとありがたいように思われます。丸の内デンタルでは、リサのクラスB滅菌器を使用しています。
歯科院内感染防止への対策
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